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地と図もしくは主to従・・(1)

いまから17,8年程前から始まってほぼ10年間、毎年場所を変えて行っていた集まりがあった。「戦後生まれの建築家100人展及建築デザイン会議」というものである。この「運動」に参加した集団が今や日本の現代建築家の主流になっている。この時の活動内容をここで紹介するには適任ではないので、興味ある方はネット等で調べていただきたいのだが、大変刺激的でその後の社会及び建築シーンに多大な影響を与えたと思っている。毎年変わるテーマ、場所だがいつも、前後の全体シンポジュウムと夜を挟んだ2回の分化会という構成だった。その中での一つの分化会でのことである。何年めの会議か、場所が何処だったか、その辺は今はっきりとは思い出せないが、ここで、時代に対する認識力の大切さを忘れないための、自身への見せしめのように記憶しているシーンがある。その分化会は難波和彦氏(現東京大学教授、建築家)が座長であり、そこに私も出席していた。ここでのテーマ、タイトルも思い出せないのだが、難波さんがしきりに国家予算のことや21世紀的日本経済の展望とそれに対する建築家のあり方のようなことを力説していた(間違っていたら難波さんごめんなさい)。詳しい資料をみれば解ることなのだが、その詳細をお知らせすることが主題ではないのでご了解願います。その分化会のなかで、確か難波さんの友人の建築家(名前は忘れました、ごめんなさい)だったと思うが、ツールとしてのCADコンピューターの話をされていました。当時はまだまだ手書き全盛(ということは初期ごろの会議ですね)だったので、頑なに鉛筆手書き有用説を支持していた。コンピューターは直線は書けるが自由曲線は無理でしょうと食い下がっていました。しかし其の人は、いやいや曲線も自由ですよといとも簡単に説明されました。難波さんもその辺はご存知のようでその人に同調します。当然ながら、メイン課題はそんなツールの問題ではないので全体はさっさと本題に戻って行った。これは何ということのない一コマのエピソードだが、私には、その時の本題は忘れても、この時のやり取りだけがトラウマのように記憶されている。(続く)