石井修 逝く

先日建築家石井修氏がご逝去されました、心よりご冥福をお祈りいたします。

85歳の大往生でした。氏は、関西の住宅作家を代表する巨星でした。私自身は直接には薫陶を受けたわけではありませんが、氏の事務所である「美建設計」は若い頃より知っていたし、そこで修行した弟子たち、孫弟子達より氏のことはよく聞いていました。また一時期同じビルにいたこともあったのでより親近感もあります。氏の活躍は今ここで申すまでもないでしょうが、一作品、一作家の枠を超えて、「ビケンイズム」は今や関西の大きな勢力?ですらありますから、その総帥の死はひとつのエポック、ひとつ時代の転換期を感じます。建築家としては、住宅作家という世界でも珍しいジャンルを確立した一人としても評価されるのでしょうが、それもこれも、作品と作家に通底する野太さ、大和魂ともいえる朴とつさが真髄として支えになっていたのではないでしょうか。以後弟子達の研鑽が果たしてどのように「ビケンイズム」を引き継いでいくのか?根源的な決意を問われるのでしょう。